矯正治療中はしゃべりにくくなるの?
矯正歯科に通ってきれいな歯並びにしたいと思っているけれど、矯正治療中に不具合や負担があるのではないかと心配される方は多いのではないでしょうか。しゃべりにくくなると仕事や学校生活などに支障が出てしまうので、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
今回は、矯正歯科治療中の話しやすさについてご説明します。矯正治療による話すことへの影響は治療方法によって異なりますし、個人差があります。例えば、一般的な治療方法のワイヤー矯正(マルチブラケット)を歯の表側に取り付ける方法の場合は、しゃべりにくさはほとんど感じられません。話すときの舌の動きにブラケットやワイヤーが干渉しないためです。
一方で、矯正器具の目立ちにくさを優先し、ワイヤー矯正を歯の裏側に取り付ける方法にした場合、発音がしにくくなってしまいます。歯の裏側にある矯正器具で舌が圧迫されるうえ、舌が矯正器具に当たっていつものように舌を動かせないためです。
特にサ行、ザ行、タ行、ダ行、ナ行、ラ行の発音がしにくくなり、サはシャ、ナはニャなどの音になってしまいます。慣れるまでは多少のしゃべりにくさを感じる方が多いですが、このようなしゃべりにくさは、はじめのうちだけなので安心してください。
たいてい2週間〜1ヶ月ほどで矯正装置に慣れて、以前と同じように話せるようになるでしょう。矯正治療には2年半~3年程度の長い期間を要しますが、しゃべりにくさを負担に感じるのは最初の期間だけです。日常生活において話すことが多い方の場合には、連休前に矯正治療を開始するなどして、仕事や学校などのスケジュールを調整するとよいでしょう。装着直後は矯正治療を中断したいと感じるかもしれませんが、最初の期間は慣れるまで我慢が必要です。
そこさえクリアできれば、矯正治療開始前のように普段通りに話せるようになります。矯正治療が成功すれば、その後の人生において、きれいな歯で自信を持って堂々と話せるようになるでしょう。