床矯正で歯列のバランスを整える方法
「子どもの歯列が悪く、床矯正(しょうきょうせい)を進められたけれどバランスはよくなるの?」と治療に踏み出せない方も多いのではないでしょうか。治療をするなら、しっかりと効果が出る治療方法を選びたいものです。本コラムでは、床矯正でバランスを整えられる歯列の例や、バランスを整える方法を紹介します。床矯正を検討中の方はぜひ参考にしてください。
床矯正で歯列を整えられる状態とは
床矯正とは、取り外し可能な矯正装置を用いて、顎の骨を広げて歯並びを整える治療法です。床矯正では治療ができる状態と、できない状態があります。以下では具体例を取り入れつつ解説を行います。
まず、歯列を整えられる状態とは、主に以下のような場合です。
- ・歯がガタガタしている乱杭歯
- ・下の顎が上の顎よりも前に出ている受け口
- ・上の顎が下の顎よりも大きく前に出ている上顎前突(出っ歯)
- ・上の顎が下の顎に大きくかぶさっている過蓋咬合
これらの場合は、床矯正で顎の骨を拡大することで、歯がきれいに並びます。 ただし、以下のような場合は床矯正では歯列を整えられません。
- ・歯の位置を根元から大きく動かす必要がある歯列
- ・重度の不正歯列
上記に当てはまる場合は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などのほかの方法を検討する必要があります。床矯正は、軽度から中等度の不正歯列に対し用いられる方法です。
床矯正で歯列バランスを整える方法
床矯正で歯列のバランスを整えるためには、以下のステップにわけて進みます。
- 1. 歯科医師がレントゲンや歯型などをとって、床矯正が必要かどうかを判断
- 2. 床矯正が適切と判断された場合、歯科技工所でオーダーメイドの矯正装置を制作
- 3. 矯正装置を口に装着し、歯科医師の指示に従ってネジを回して顎の骨を広げる
- 4. 定期的に通院してメンテナンスや調整
- 5. 顎の骨が十分に広がったら、保定装置(リテーナ)を装着して歯並びをキープ
- 6. 永久歯が生えそろったら治療が完了
床矯正は、顎の骨を広げて歯並びを整える治療法となっており、タイミングが非常に重要です。お子様の歯並びが悪いと感じたときには、早めに歯科医師に相談し、顎の成長が活発な時期に治療を始めることがおすすめです。
床矯正のメリットは、抜歯なしで歯並びを改善できることです。しかし、重度の不正歯列や歯の位置を細かく調整したい場合、床矯正だけでは不十分な場合もあります。その場合は、ほかの矯正方法と併用することも考えられますので、担当の歯科医師と十分に話し合ったうえで治療方針を決定しましょう。
- Q.1 矯正中の歯がぐらぐらになるのは大丈夫?
- A.1 歯が動くときに多少ぐらぐらすることがあります。また、乳歯であればぐらぐらしたり抜けたりしても問題ありません。しかし、永久歯がぐらぐらし、痛みを感じる場合や腫れる場合はかかりつけ医に相談してください。
- Q.2 ねじを巻くと前歯に隙間が空いてしまうことに問題はありますか?
- A.1 乳歯の場合は、歯と歯の間に隙間がある程度は正常咬合です。ただし、凸凹状態や隙間がない状態は不正咬合の可能性がありますので、かかりつけ医に相談してください。