矯正治療とレントゲンの関係
矯正治療を行なう際には、事前に様々な検査をしなければなりません。レントゲンもそのひとつです。ここではなぜレントゲンを撮るのか、レントゲンがどう活用されるのかをご紹介していきます。
まず、矯正治療の前には歯がどのように周囲の人から見えているのかを知るために、通常の写真も合わせて撮ります。歯を見せて笑ったときなど、横顔や口腔内の状態を確認するためです。この写真では私たちの目に見えている部分は把握できますが、歯の根元部分の生え方や骨の状態などはわかりません。そのため、見えない部分を知り、適切な矯正治療を進めるためにもレントゲン撮影を行なうのです。
歯科医院では、正面から撮影するパノラマレントゲン写真と横から撮影するセファロレントゲン写真を使います。セファロレントゲンでは、顎の大きさと位置、歯の生えている角度などがわかります。この写真から現状を分析し、今後の治療計画を立てます。写真上で長さや角度などの数値を測り、正常な数値と比較します。具体的には、頭の骨に対する上顎と下顎の大きさを測り、顎が成長しすぎているのか、成長が足りないのかがわかります。
また、上顎骨と下顎骨の関係も確認できます。出っ歯のように見えたり、受け口になっていたりするなどのお悩みがある場合は、実際に上顎骨と下顎骨の状態を把握するために検査し、歯の見え方の原因を探ります。このような様々な数値から、矯正治療の難易度の目安も知ることができます。さらに、セファロレントゲンでは骨や歯だけでなく、頬や唇などもある程度は写せます。頬や唇なども含めた横顔のラインをセファロレントゲンで見ることができるのです。見えない部分を視覚化し横顔の美しさを確認することで、理想へ近づけていくのに活用されます。
このように、レントゲンは適切な治療計画のために大切なものです。矯正治療の前後でのご自身の変化についてもチェックできます。大切な検査のひとつですので、歯科医の指示にしたがって安全に進めていきましょう。
歯並びだけの問題ではないことが分かった場合、患者様に説明して優先的に行なう治療を確認していきます。優先的に行なう治療を行なった後、矯正治療をどのように行なっていくのか、具体的に治療計画で示していきます。 また、治療計画には矯正治療を終えた後も組み込まれています。矯正治療は歯並びが整って器具を外せば終わりではありません。矯正治療を終えた後、移動した歯が徐々に元の位置に戻ろうとする力が働きます。その力が働く保定期間に歯科医院に定期的に通っていただき、歯並びが戻らないために経過観察を行なっていきます。
治療計画は患者様の歯並びが理想に近づくように様々な事柄を計算し、適切な治療方法を決めていくためにあります。歯科医院と連携を取って矯正治療を成功させていきましょう。
