マウスピース矯正は簡単?
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを歯に装着し、徐々に歯並びを整える治療方法です。マウスピースは簡単に着脱可能なため、ストレスなく食事を楽しんだり、毎日のセルフケアが手軽に行えるメリットがあります。
本コラムでは、マウスピース矯正の特徴や治療可能な症例を解説します。マウスピース矯正を検討中の方は、ぜひご覧ください。
マウスピース矯正は矯正装置の着脱が簡単
マウスピース矯正で使用する矯正装置はご自身で簡単に着脱できるほか、以下のメリットがあります。
・普段通りに歯みがきができる
・ストレスなく食事できる
・大切なイベントの際は外せる
毎日のセルフケアの際はマウスピースを外し、普段通りの歯みがきで口腔ケアが可能です。マウスピースも洗浄できるため、矯正治療中も口腔内の衛生が保てます。
また、食事の際もマウスピースを外せるため、ストレスなく飲食を楽しめます。装着したまま食事すると 破損や変形の原因となるため、食事前に外すのを忘れないようにしましょう。忘れると、矯正装置と歯の間に食べかすが挟まり、虫歯リスクが高まるため注意してください。
決められた装着時間を守れば、一時的にマウスピースを外しても問題はありません。
例えば、大切なイベントで矯正装置を外したい場合は、自由に外すことができます。
マウスピース矯正が適している方とは
マウスピース矯正は、矯正装置の着脱が簡単で、治療中も矯正装置によるストレスが少ない矯正方法です。
しかし、すべての症例に対応できる矯正方法ではないため、マウスピース矯正を希望しても治療できないケースがあります。
マウスピース矯正で治療可能な症例
マウスピース矯正は、歯並びの乱れが軽度の場合に適した矯正方法です。以下の症例を治療できます。
・出っ歯
・受け口
・すきっ歯
・開咬(かいこう)
・交叉咬合(こうさこうごう)
・過蓋咬合(かがいこうごう)
・叢生(そうせい)
マウスピース矯正は、さまざまなパターンの歯のがたつきや噛み合わせを治療できます。しかし、歯の移動距離が長いケースや、骨格的な問題で歯並びを矯正しきれないケースには適していません。加えて、抜歯の本数が多い症例も治療が難しい場合があります。
マウスピース1枚で移動できる歯の距離は、約0.25mmとされています。1〜2週間程度で次の段階のマウスピースに交換し、徐々に歯並びを矯正する仕組みです。
緩やかに歯が移動する矯正方法のため、歯の移動距離が長い症例を治療する場合は、歯の移動に時間がかかります。治療期間が延びたり、治療費用が高額になるデメリットもあります。
ワイヤー矯正との比較
ワイヤー矯正は、歯の表面や裏側にワイヤーを取り付け、ワイヤーの力で歯を動かす矯正方法です。マウスピース矯正は矯正装置の着脱が可能ですが、ワイヤー矯正は治療完了まで矯正装置を外せません。
ワイヤー矯正の特徴は矯正力が強い点であり、抜歯が必要なケースや歯の移動距離が長いケースなど、マウスピース矯正では治療が難しいとされる症例に適しています。
症例別に適した治療方法は異なるため、ご自身に適した治療方法については歯科医師に相談しましょう。
矯正治療方法ごとの特徴は、以下のコラムをご覧ください。
「矯正治療の種類と方法」
マウスピース矯正とワイヤー矯正は併用も可能
マウスピース矯正だけでは治療しきれない症例では、ワイヤー矯正と併用するケースもあります。歯を大きく移動させる際にワイヤー矯正を利用し、マウスピースで対応可能な程度まで矯正してから、マウスピース矯正を始める方法です。
歯の表面にワイヤーを設置する矯正方法の場合は、ワイヤーが目立つため、矯正中の外観が気になる方もいるかもしれません。しかし、あとから目立たないマウスピース矯正に切り替え可能な症例もあります。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の併用は、治療期間を短縮できたり、重度の不正咬合を理想の歯並びに近づけたりできる点です。矯正方法の併用で対応できる症例が増えます。
マウスピース矯正を成功させるには
マウスピースは着脱が簡単で、食事やセルフケアの際に外せるため、取り組みやすい矯正方法です。しかし、治療の成功には、自己管理の徹底を要します。
マウスピース矯正で歯を動かすために最も重要なのは、決められた装着時間を守る点です。一般的には1日20時間以上装着する必要があります。装着時間が短い場合は歯が動かず、治療期間が延びるケースもあるため注意してください。
また、日々のセルフケアも重要です。マウスピース装着中は歯に唾液が届きにくくなり、乾燥しやすいため、歯みがきを徹底し虫歯予防に努めましょう。
当院では お子さまから大人まで、幅広い年齢層に向けて矯正治療を提供しています。マウスピース矯正を検討中の方は、ぜひ当院にご相談ください。
Q1:マウスピース矯正の治療期間はどのくらいですか?
A1:治療期間は一般的に、2か月~3年程[7] です。前歯を部分的に矯正する場合は2か月〜1年程度、奥歯を含む全体的な矯正の場合は1〜3年程度が目安です。
Q2:マウスピース矯正に年齢制限はありますか?
A2:基本的に年齢制限はありません。マウスピースを装着できる歯があり、矯正治療が可能な状態であれば受けられます。
ただし、お子さまの場合は一期治療と二期治療に区分され、それぞれ対象年齢や条件が異なります。一期治療は、乳歯と永久歯が混在している時期に行うもので、3〜12歳程度のお子さまが対象です。二期治療はおおむね12歳以上で、永久歯が生えそろった状態であれば受けられます。
治療の流れや一期治療・二期治療の特徴については、以下のコラムをご覧ください。
「子どもの歯列矯正の流れとその重要性」