マルチブラケット矯正で変化が感じられる目安とは
マルチブラケット矯正は、軽度〜重度の不正咬合まで幅広い症例を治療可能な矯正方法です。治療開始後、いつから歯並びの変化を実感できるのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。治療中の変化はモチベーションにつながります。
本コラムでは、マルチブラケット矯正で変化を実感できる時期の目安を解説します。マルチブラケット矯正の注意点やセルフケアの重要性も紹介するため、見た目の変化を実感しながら治療を成功させたい方は、ぜひご参考にしてください。
マルチブラケット矯正の特徴
マルチブラケット矯正には以下の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。
・表側矯正
・裏側矯正
・ハーフリンガル矯正
表側矯正は、歯の表面に矯正装置を装着する方法です。矯正力が強く、移動させたい歯に力を加えやすいため、幅広い症例に対応できます。デメリットは、口を開けた際に矯正装置が目立ちやすい点です。
裏側矯正は、歯の裏側に矯正装置を装着するため、口を開けた際に目立ちにくい方法です。
しかし、矯正装置の着脱や調整などに歯科医師の技術力が求められるため、歯科医院や症例によっては対応できません。また、表側矯正より費用が高い点もデメリットです。
ハーフリンガル矯正は、上の歯を裏側矯正、下の歯を表側矯正で治療する矯正方法です。口を開けた際に矯正装置が見えにくく、裏側矯正より費用を抑えられる点がメリットです。
しかし、裏側矯正やハーフリンガル矯正は、表側矯正に比べて対応できる症例が限られるため、希望通りの方法で治療できない場合があります。
マルチブラケット矯正によって起こる変化の経過
マルチブラケット矯正による見た目の変化を、経過ごとに解説します。
歯が移動するペースには個人差があるため、目安として参考にしてください。
1か月後の変化
マルチブラケット矯正では、数日で歯並びが改善することはありません。ブラケットで歯が動く距離は、1か月に0.5mm程度とされているためです。
歯は時間をかけてゆっくり移動します。治療開始から1か月が経過した状態でも、歯並びの変化を感じる方は少ないでしょう。
治療が進むにつれて歯並びが徐々に整っていくため、焦らず治療を続けてください。
3か月後の変化
治療開始から3か月が経過すると、歯並びの変化を感じる方が徐々に増えてきます。
歯が順調に動いている場合は、3か月頃には歯が1.5mm程度移動しているケースが多いです。
また、症例によっては変化がわかりやすいケースがあります。例えば、すきっ歯の方は隙間が狭くなったと感じるかもしれません。
6か月後の変化
治療開始から6か月経過すると、多くの方が歯並びの変化を実感できるといえます。
ただし、歯が移動するペースには個人差があるため、治療開始から6か月経過しても変化を実感できない方もいます。歯が動きにくい方は、見た目の変化を実感できるまで時間がかかるでしょう。
また、歯並びの乱れが軽度の方は、歯が移動する距離が短いため、見た目の変化に気づきにくい可能性があります。一方で、歯の凹凸が激しく重度の不正咬合の方は、歯が移動した際の見た目の変化が大きいため、治療の成果を感じやすいでしょう。
マルチブラケット矯正を成功させるコツ
計画通りに治療を進めるためには、事前に矯正治療の注意点を把握しておく必要があります。
また、矯正治療中は自己管理も重要なため、セルフケアや食事の注意点も確認してください。
マルチブラケット矯正の注意点を把握しておく
治療中の注意点を把握しないまま治療を開始すると、治療開始後にモチベーションが下がったり、治療を途中でやめたくなったりするケースがあります。
治療中のモチベーションを保ち、スムーズに治療を進めるため、治療開始前にマルチブラケット矯正のデメリットやリスクを把握しましょう。
マルチブラケット矯正には、以下のようなデメリットがあります。
・治療期間が長い
・矯正装置が目立つ
・痛みや違和感がある
・食べられるものが制限される
・歯みがきがしづらい
矯正装置は治療が完了するまで外せません。治療中の見た目や生活面で不安がある場合は、治療を開始する前に歯科医師に相談してください。
矯正装置による痛みや違和感は、装着・調整後に出やすいのが特徴です。
以下のコラムでは、痛みや違和感を覚えやすい期間やマルチブラケットのリスクについて紹介しています。
マルチブラケットを付ける前に知っておきたいこと
食事やセルフケアの注意点については、次の章で解説します。
治療中はセルフケアを徹底する
セルフケアを怠ると虫歯や歯周病などの口腔トラブルの原因になるため、歯みがきの徹底が重要です。虫歯や歯周病になり治療を優先しなければならない場合は、マルチブラケット矯正の治療が遅れるケースもあります。
矯正装置を装着した状態では、歯ブラシが届きにくい部分があるため、歯間ブラシ・デンタルフロスを補助的に使用すると効果的です。定期的に歯科医院でクリーニングを受け、口腔トラブルを予防してください。
また、硬い食べ物や粘着性が高い食べ物は、矯正装置が破損する原因となるため、食生活にも注意が必要です。また、甘い食べ物を摂り過ぎると虫歯になりやすくなるため、矯正治療中は控えたほうがよいでしょう。
当院は、患者さまの不安や疑問を解消するため、カウンセリングを重視した治療を提供しています。堺市でマルチブラケット矯正を検討中の方は、ぜひ当院にご相談ください。
Q1:歯ブラシが届きにくい部分を効果的にケアする方法はありますか?
A1:歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを使用すると汚れを落としやすくなります。また、山型やU字型の矯正用歯ブラシを使用したケアも効果的です。
Q2:マルチブラケット矯正による痛みや違和感は徐々に少なくなりますか?
A2:感じ方に個人差はありますが、1週間〜10日程度で痛みや違和感が軽減するとされています。
マルチブラケット矯正による痛みについては以下のコラムも参考にしてください。
マルチブラケット矯正の痛みについて