歯並びや噛み合わせ改善による口腔ケアのメリット
矯正治療は、歯並びをきれいにする治療です。見た目の改善だけではなく、噛み合わせなどの歯の機能性や口腔ケア、気持ちの面においてもメリットがあります。
本コラムでは、矯正治療によって得られるメリットについて詳しく解説します。矯正歯科での歯列矯正をお考えの方は、ぜひご参考にしてください。
歯並び・噛み合わせを良くするメリット
歯並びや噛み合わせの悪さを治療せず放置していると、歯の機能を十分に果たせません。また、きれいな歯並びの状態よりもブラッシングがしづらく、口腔ケアも不十分になりがちです。結果、歯並びの悪さが口臭や虫歯・歯周病の原因となるのです。
歯列矯正で歯並びを改善すると、口腔ケアがしやすくなり、歯を健康に保てます。また、見た目が良くなるほか、噛む力が向上することで食事を楽しめるなど、気持ちの面でのメリットにも期待ができます。
歯列矯正で得られる主なメリットは次の通りです。
・見た目(審美性)の改善
・コンプレックス解消
・噛み合わせ・咀嚼力の改善
・口腔ケアをしやすくなる
また、8020(※)達成者のほとんどが、若いころから歯並びが良く、咀嚼能力が衰えていないとの報告があります。歯列矯正で歯並びや噛み合わせを改善することによる効果が出ていると考えられます。
※8020運動:80歳で歯を20本残すことを目標に、1989年から取り組まれている活動です。達成者の割合は1993年には10%程度でしたが、2016年には50%程度まで上昇し、以降横ばいとなっています。現代ではより健康寿命を伸ばすために、永久歯28本を残す「生涯28」へと変わりつつあります。
歯列矯正が必要な歯並びとは?
歯並びの悪さは見た目だけの問題ではありません。噛み合わせや咀嚼力といった機能性やセルフケアの問題につながります。歯列矯正は審美性の改善だけでなく、口腔機能を正常に近づけるためにも必要な治療です。歯列矯正が必要になる歯並びの代表例は次の通りです。
・乱ぐい歯(叢生)
・出っ歯(上顎前突)
・すきっ歯(空隙)
・上下の歯がしっかり噛み合わない(開咬)
矯正歯科治療には、一般歯科分野とは異なる知識や経験が必要です。歯列矯正を受ける場合は、機能性と審美性の両面から治療方針を定め、リスクも含めて丁寧に説明をする信頼できる歯科医院・歯科医師を選びましょう。
Q1:矯正治療はいつから始めるべきですか?
A1:小学生~中学生(成長期・発育期)に行うのが望ましいとされています。しかし、近年では中高年の方々でも治療が可能です。ただし、成人になってから行う矯正治療は歯の移動が円滑ではないため、治療期間が長引く可能性があります。
Q2:矯正治療は保険適用で受けられますか?
A2:ほとんどの場合、歯列矯正治療は自己負担です。保険適用となるのは、顎を動かす手術が必要と診断された場合のほか、指定された疾患、前歯が3本以上生えて来ないために噛み合わせが問題となる場合のみです。