マルチブラケット矯正なら幅広い症例に対応可能？
マルチブラケット矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着して歯並びを矯正する治療法です。軽度の歯列不正から不正咬合まで、幅広い歯並びの悩みに対応できます。
本コラムでは、マルチブラケット矯正をするメリットとデメリットについて紹介しています。複雑な歯並びに悩んでいる方は、ぜひご参考ください。
マルチブラケット矯正とは
マルチブラケット矯正は、歯の表面にワイヤーのついたブラケットを装着して歯並びを矯正する器具である「マルチブラケット」を使用した矯正治療です。ワイヤーの張力で歯を移動させることで、本来の位置に歯を矯正します。
一つ一つの歯にブラケットを装着できるため、患者さまだけに合う最適な治療を行えるのが特徴です。
歯に直接装着する「ブラケット」、歯全体を動かすためにブラケットに通す「ワイヤー」、ブラケットやワイヤーを固定するために使われる「バンド」の3つのパーツから構成されており、これらのパーツがうまく作用することで矯正が行われます。
マルチブラケット矯正のメリット
マルチブラケット矯正には、ほかの矯正装置にはないメリットがいくつか存在します。
マルチブラケット矯正だからこそ得られる、3つのメリットについて確認していきましょう。
幅広い症例に対応できる
マルチブラケット矯正は、ほかの矯正装置と比較して 幅広い症例に対応可能です。これは、歯に加える力の細かい調整ができるためで、開口や出っ歯、受け口なども矯正できます。
そのため、抜歯やマウスピース型の矯正では対応しきれない症例でも、マルチブラケット矯正なら精密な調整によって理想的な歯並びに矯正できます。
また、全体矯正に加えて、特定の部位のみを整える部分矯正ができたり、噛み合わせの改善につながるため、患者さまそれぞれのニーズにも柔軟に対応できます。
低コストで利用できる
マルチブラケット矯正は、舌側矯正やインプラント矯正、マウスピース矯正などと比較してコストが低いのが特徴です。
特に、金属製のブラケット装置であるメタルブラケットなら、 長期的に使用できるだけでなく、ほかの装置よりも安価で利用できます。
経済的な理由で矯正に消極的だった方でも、マルチブラケット矯正なら現実的な費用で治療が受けられます。しかし、メタルブラケットよりも審美性に優れる特殊なブラケットを使用すると、費用が高額になる場合がある点には注意が必要です。
矯正中でも審美性が保たれる
マルチブラケット矯正の場合、透明なブラケットである「クリアブラケット」を使用することで、矯正中なのか 分かりづらいのがメリットです。ほかにも、舌側にブラケットを取り付ける「リンガルブラケット」も歯に隠れて装置が見えづらいため、矯正中でも口まわりの審美性が保たれます。
装置が目立ちやすいメタルブラケットと比較すれば費用はかかりますが、矯正していることを周囲に知られたくない方や、治療中の外見を重視したい方にはおすすめできる治療方法です。
マルチブラケット矯正のデメリット
マルチブラケット矯正は、メリットだけでなくデメリットもあります。
矯正後に後悔しないためにも、マルチブラケット矯正が抱えるデメリットについて確認しておきましょう。
痛みが出る場合がある
マルチブラケット矯正の場合、装置の装着後や調整後に痛みが出る場合があります。特に、装置をつけてから2〜3日から1週間程度は痛みが出やすく、食事もしづらくなる場合があるため注意が必要です。
また、ブラケットが頬の裏や唇に接触することで、口内炎ができる場合もあります。口内炎は歯科用ワックスで軽減できますが、炎症を抑えるために口腔内をケアする手間が発生します。
痛みがなくても違和感を覚えるケースは多いので、装置に慣れるまでは辛抱が必要です。
マルチブラケット矯正で起こる痛みについては、以下のコラムをご覧ください。
マルチブラケット矯正の痛みについて
食事に制限がある
マルチブラケット矯正をしている最中は、粘着性が高いキャラメルや煎餅、ナッツなどの硬い食べ物、着色しやすい食べ物は装置が外れたり破損したりする危険性があるため控える必要があります。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
マルチブラケット矯正では、歯に装置をつけるため、歯みがき時の磨き残しが発生しやすくなります。さらに、一度装置を取り付けたら矯正が完了するまで外せないため、ブラケット周辺に歯垢が付着しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
従って、矯正中は普段よりも入念に歯みがきを行うなど、日頃のケアを丁寧に行わなければいけません。また、定期的な検診で歯科衛生士に口腔内をクリーニングしてもらうことも大切です。
それでも、マルチブラケット矯正は幅広い症例に対応できるので、歯並びのお悩みを抱えている方は治療を検討しましょう。
マルチブラケット矯正中の虫歯を防ぐ方法は以下のコラムをご覧ください。
マルチブラケット矯正で口臭や虫歯を防ぐ方法
Q1：マルチブラケット矯正の治療期間は？
A1：マルチブラケット矯正の治療期間は、2〜3年程度が目安です。しかし、治療期間は個々の症例によって 個人差があります。
Q2：マルチブラケットの種類は？
A2：マルチブラケットには、大きく分けて金属を使用した「メタルブラケット」とセラミックを使用した「セラミックブラケット」の2種類があります。どちらのマルチブラケットを使用するかは、歯列の状態や審美性、費用面を考慮して検討することが大切です。
