不正咬合が全身に及ぼす影響
不正咬合とは、歯並びが悪く、噛み合わせが悪い状態のことです。不正咬合は食べ物をうまく噛めない、うまく発音ができないなどの問題だけでなく、全身に影響を及ぼし、様々な不調を引き起こします。
本コラムでは、不正咬合が全身に及ぼす影響を解説いたします。不正咬合の種類と治療法についてもご紹介しているので、歯並びや身体の不調でお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
様々な不調は不正咬合が原因かも?
前述した通り、不正咬合は口腔内だけでなく、全身の不調を引き起こします。ここでは、不正咬合によって起こり得る全身の不調について解説いたします。
口腔内トラブル(虫歯・歯周病など)
不正咬合で起こる不調として、まず挙げられるのは口腔内の問題です。
噛み合わせ・歯並びに問題がある不正咬合は、歯ブラシが届きにくい箇所ができやすく、磨き残しが増えるため、虫歯や歯周病といった口腔内のトラブルが発生しやすくなります。
虫歯や歯周病は、口腔内だけの問題にとどまらず、様々な病気を引き起こすことがわかってきています。
胃腸の調子が悪くなる
不正咬合が原因で、胃腸の調子が悪くなることがあります。噛み合わせが悪いと、食事中に食べ物を十分に咀嚼できず、丸飲みしてしまいがちです。その状態が続くと、消化器官に負担がかかり、胃腸の調子が悪くなる原因となります。
さらに、しっかりと咀嚼できないことで満足感を得られずに食べ過ぎを招き、肥満につながることもあります。
頭痛や肩こり
不正咬合の場合、噛み合わせが悪いため、特定の部位に咬む力が集中しやすくなります。顎関節や周辺の筋肉など特定の部位にのみ負荷がかかると、肩こりや頭痛の原因になるケースがあります。慢性的な肩こりや頭痛に悩まされ、改善がみられない方のなかには、噛み合わせの問題が背景にあるケースが少なくありません。
歯並びのコンプレックス
歯並びの問題は身体的な影響だけでなく、精神的な不調を引き起こす場合もあります。人前で口を開けることに抵抗を感じたり、笑うのが苦手になったりするなど、他人に口元を見られるのが気になり、行動に制限をかけてしまうことがあります。
さらに、見た目の問題で自己肯定感が低下し、消極的な態度につながったり、発音が上手くできず会話に対して不安を感じるケースもあります。
おもな不正咬合の種類
不正咬合にはいくつかの種類があります。代表的なものは以下の通りです。
・叢生
歯並びがガタガタになっている状態。乱杭歯とも呼ばれます。八重歯も叢生の一つです。
・反対咬合
上下の噛み合わせが逆になり、噛み合わせたときに下の歯が前になっている状態です。
・上顎前突
いわゆる「出っ歯」の状態です。前歯の飛び出しが目立ちます。
・開咬
奥歯は噛み合うのに、前歯は噛み合っていない状態です。噛み合わせたときに前歯にすき間ができてしまいます。
また、外見上では歯並びが整っていても、噛み合わせが悪く不正咬合と診断される場合もあります。
不正咬合を治療をするには?
不正咬合を治すためには矯正治療が必要です。矯正治療にはワイヤー矯正やマウスピース矯正などの方法があり、歯の状態によって治療法が異なります。矯正治療は若年層のうちに始めるものと思われがちですが、大人になってからでも治療は可能です。まずは矯正歯科を受診し、歯の状態にあった矯正方法を提案してもらいましょう。
また、矯正治療に対して不安を感じている方は少なくありません。
矯正治療を受けることで得られるメリットを解説したコラムがありますので、ぜひご覧ください。
「矯正治療が全身に及ぼす効果とは」
不正咬合は歯並びの問題だけではない
不正咬合はただ歯並びが悪いというだけでなく、全身の不調の原因となります。矯正治療と聞くとハードルが高いと感じる方が多いと思いますが、不正咬合による体調不良を引き起こす前に対処することが大切です。
当院であれば、丁寧なカウンセリングと問診で患者様の不安を取り除き、安心して治療を受けられる環境をご用意しております。堺市で不正咬合にお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。
Q1:子どもの指しゃぶりは歯並びに影響しますか?
A1:赤ちゃんのうちは問題ありませんが、3歳を過ぎても指しゃぶりが続くようなら、歯並びに影響する可能性があります。歯並びの悪さ(不正咬合)の後天的な原因として、生活習慣(クセ)があります。指しゃぶりも、そのうちの1つです。
Q2:不正咬合は遺伝しますか?
A2:不正咬合は骨格が関係しますので、遺伝する可能性があります。例えば、両親のいずれか、または両方が不正咬合の場合、お子様にも遺伝するケースがあります。